苦手なタイプの芸人さん
苦手なタイプの芸人さん_b0038294_23222443.jpg今日からレギュラー番組化されたフジテレビ系「爆笑レッドカーペット」を見ていて気づいたことがある。
それは「知的障害」または「メンタルシック」をフォーマットにした芸人さんは自分は苦手だ、ということ。
倫理的にどうか、というのは確かにあるけど、それよりも強いのは「そういう風に見せた上で人を笑わせようとする」ということのほうだ。そっちの要素のほうが自分の中で嫌な感じが残る。




初めて鳥居みゆきを見たとき、「これは笑っていいものなのか」という思いがまず先に立ち、全く笑えなかった。
その後ハイビジョンで彼女を初めて見たとき、やっとその目の中に「正気」を見出しちょっと安心すらしてしまったのだが、彼女の目に「正気」、口調に「ぎこちなさ」(=オカシイ人を演じている)というものを見てしまったらしまったで、うまく言い表せないが不快感というか腹立たしさのようなものが湧き上がったのも事実だった。
同じ理由で「もう中学生」とかいう人も自分は見るのが辛い。
彼は単に幼い子供を演じているつもりなのかもしれないが、実際はかなり危うい状態となっているように見える。鳥居みゆきに関しては真っ白のパジャマ、というのも(実際どうなのかは別にして)「入院患者」を連想させるものがある。

表現は自由だから私がどうこう言う権利はないのかもしれないけど、そういうのを下地にしないと成立しない笑いというのはどういうものなのだろうか。どういう理由で彼らはこのような設定に決めたのだろう。単にインパクト、ということならちょっと無神経な気もするが、私が気にしすぎなのだろうか。でもあれを見て何も心に期することなくあっけらかんと笑えるというのも(あくまで私にとっては)ちょっと怖いように思う。

少なくとも私には、そういう設定がどうこうという逡巡を吹っ飛ばすほどに笑えるような強烈な面白さを感じなかったということに尽きるのかも。いいのかなと思いながらもつい笑ってしまった、となるほどのパワーは感じなかったということか。
それは今夜レギュラー化第1回目であった「レッドカーペット」全体にも言える事だった。

番組を長続きさせたいなら、盛り上げる為に「大笑い」を叩き売るような真似をしたり出演者をスポイルせずに、面白くなければ「面白くない」と評価を出さないと「エンタ」の二の舞になるのは目に見えている。
「エンタ」はお客をよく教育しているのかそれとも全員サクラなのか、会場内は完全に一体化しているが(見ているこちら側との温度差がまた腹立たしいのだが)、「レッドカーペット」はお客さんの反応は微妙なのに評価は「大笑い」ということが何度もあり、舞台と観客席のムードのズレがこちらにも分かる微妙な感じだった。
「レッドカーペット」も次回からはしっかりお客を教育してくるかもしれないが、それは芸人を盛り上げているようで殺しているのと同じことだ。

私はリズムや決まり文句的なフレーズに頼らない、本当の面白い「芸」を見たいなあ。
by toramomo0926 | 2008-04-16 23:57 | エンタメ


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