良い勝者になるには、よい敗者であること
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米大統領選の民主党候補者選びにやっと決着がつき、ヒラリー・クリントン候補が自分の候補者の前で撤退を表明、今後は同じ民主党員としてオバマ氏を支持していくという声明を発表した。
こうやって負けをきちんと認める声明を出す、というアメリカの慣例は立派だと思いますね。



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<米大統領選>クリントン氏、撤退とオバマ氏支持を正式表明 [ 06月08日 02時30分 ]

 【ワシントン及川正也】米大統領選民主党指名争いに敗れたヒラリー・クリントン上院議員(60)は7日昼(日本時間8日未明)、ワシントンの集会で、指名競争から撤退し、勝利を決めたバラク・オバマ上院議員(46)を支持すると正式に表明した。

 クリントン氏は演説で「今日、選挙活動を中止する」と述べ、「オバマ氏を次期大統領にするため全力で支援する」と明言した。
 昨年1月の出馬表明から1年4カ月余続いた選挙キャンペーンの幕を閉じ、オバマ氏が共和党のジョン・マケイン上院議員(71)と対決する11月4日の本選に向け、挙党態勢の構築を目指す。
 今後はオバマ氏の副大統領候補選びが最大の焦点になり、クリントン氏の処遇が党内結束のカギを握る。オバマ氏は8月末の全国党大会で正式に大統領候補に指名される。
(毎日.jp)
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アメリカって今は昔のように憧れられる国ではなくなりつつあるけど、こういう慣例というか精神みたいなものは、見習うべきだなあと思います。
こういう場合、日本では負けが決まった時点で軽く記者会見や囲み取材などをするだけだと思うんですが、彼らは何千人もの支持者と全世界に放映されるテレビカメラの前に立ち負けを認め、自分を打ち負かした相手を賞賛し、自分の支持者にその人への支持を呼びかける。
これは本人には辛いことですが、きちんと後始末をする姿勢というのは立派だと思います。
そしてアメリカではそれが敗者の取るべき態度として期待されるというか、慣例になっていますよね。やらないと批判される。
アメリカ人のコンプレックスは歴史や文化が浅いことだとよく言われますが、こういうところは誇れる文化と言っていいんじゃないかと思います。
今回のヒラリーのように敗者となった人の本当の気持ちというのはきっとそんなきれいごとでは片付かないだろうし、悔しさもあると思うけれど、きっちり落とし前をつける態度というのは日本のエラい人も倣ってほしいものです。

前にどこかで見聞きして、印象に残っている言葉があります。

「良い勝者になるには、良い敗者でなければならない」

全力を出し切って自分のベストを尽くせば、負けても全てを失うわけではなく自分の中に残るものはあるはずですね。
永久に勝ち続けられる人間なんているわけないし、逆に負けを経験して得る無形の財というのはある。ヒラリー氏も何かを得たと思うし、それはまた彼女が次のチャンスを手にしたときに確実に生きてくると思います。

また勝利したオバマ氏もこの勝利が正しかったと後に国民に納得させるようにならなければならない。ヒラリー氏に勝ったことで新たなプレッシャーも引き受けたことになりますが、頑張って迷走を続けるアメリカをまた世界から憧れられる存在に戻して欲しいと思います。

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でも、なんかこれで事実上大統領選は勝負がついた感じですね。マケイン氏は未だ蚊帳の外・・・
今後が注目されます。

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by toramomo0926 | 2008-06-08 11:25 | 政治


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